小さな子が転んで、どうするかなと思っていると、そばで大人が「泣かない!痛くないよ」と叫んでいて、なんとかその子は泣かないで立ち上がる……道でこんな親子の風景を見たことはありませんか?その後には「えらいね」などと褒められるのです。でも、本当はその子の心と体は「痛いよ」「びっくりした」「怖かった」と泣きたいはずです。私たちは体の奥に感じられる感情に、違う名前をつけられることが続くと、脳が混乱し、感情を制御すべき時にできなくなってしまいます。悲しかったり怖かったり…嫌な感情をもっている時には「悲しい」「怖い」と言えること、悲しければ泣くこと、泣かせてあげることはとても大切なのです。家族や温かい人間関係の中で、安心してそれができるといいですね。